世知辛い物件探し

日々の小さな贅沢も控えざるを得ないこのご時世。仕事部屋の物件探しも世知辛く進んでおります。
青山ゆみこ 2026.01.12
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こんにちは。
子どもの頃は「小正月」という言葉が普通にあって、15日までは「まだ正月」。そんな気分があったんだけど、今年なんて5日頃から完全に正月ムードは消え去っていた気がする。これも時代でしょうか。なんか世知辛いっすねえ。

世知辛いといえば、衣食住の「食」はますます物価が高騰していて、以前なら「ついでに買っとこ」とスーパーでカゴにほうりこんでいた「いるかいらんかわからんけど、とりあえず」みたいな一品は、いまや「買わない」の一択。

わたしはお洋服も買わないし、雑貨類にも興味があまりなく、普段買うものは本か食料品のみ。食料品って、生ものは必要以上に買えないし、必要なものを買うって感じになりますよね。だから「買い物の楽しみ」として、わたしは「普段買わないスナック菓子を買う」ことを小さな楽しみにしているんです。かっぱえびせんの新しい味とか、季節限定味とかも、必ず買う。柿の種系だと、本家本元だけでなく似たような商品も買う。ビーノも買えばさやえんどうも、みたいな感じで。

スナック菓子をがしっと掴んで、カゴにばこばこっと入れていく大人買いを、地味な贅沢にしていたのですが、最近はそれがどうでしょう。レジ前の「今日のお買い得品」の平台から選ばなきゃ、もったいないような気がしてしまって。つまり、定価の好きなものではなくて、半額とか特売の商品から選ばないと贅沢すぎるんじゃないかと。せいぜい50円とか100円の差額ですよ。でも食品のほとんどのものが20円、50円、80円と値上げされている昨今。100円がいかに大事か……。

ああ、世知辛い。

しかしながら、この物価高は、世界のいたるところで勃発している紛争やきな臭い気配とは無縁ではないわけで、わたしがスナック菓子をよぶんに買わないのも世相を反映しているからに他なりません。

そんなわけで、世知辛くきな臭い現実から逃避して、気分転換するのに、最近よく入り浸っているのが「賃貸サイト」です。

以前にお話したように、仕事場を探しているから。

しかしながら、これまた探せば探すほど世知辛い……。レトロな団地とか、築年数がかなりだけど、それも「味」と探してみるものの、この広さ(というか狭さ)でこの家賃!! ううむ。

それもあるけど、わたしの場合は個人事業主という名の浮き草稼業。正社員で、固定給がある人とはやっぱり違うんですよね。

住むわけじゃないし、仕事場だし……と思いつつも、せっかくだから昼風呂に入れるように、バス・トイレがセパレートだったらいいなな……とかつい欲が出ると、それなりの物件になって、敷金・礼金の類いも発生する。どんどん固定費の算盤がかさむわけです。だめだこりゃ。

なもんで、このところは、敷金・礼金なし、保証人もいらない1ルーム格安物件をいろんな賃貸サイトに登録して、仕事の合間にパトロールしている。そうしたら、物件紹介のトップ画像からして「やる気のない」「薄暗い」写真が並ぶことが多くて、眺めるだけで気が滅入る。ますます、だめだこりゃ。

でもね、ほんとついこないだのこと。トップ画像がかなり引きの外観写真で(間取り図でも、内観写真でもなく)、それも崖の中腹というか、どうやら山裾の悪くない自然環境みたいなお部屋にヒットしたんです。

興味をもったのは、単純にそのトップ画像が、珍しかったから。普通はシャビーな色目の内装とか、リフォーム済みとか、「ライオンズマンション」なんて「良いように主張したい」内観、外観の写真とかだったりしますよね。

その物件の、かなり引きの写真は、なんかそういうのと全然違って、よくわからないものだったんです。住宅紹介というより、ただの風景? みたいな?

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