選挙の思い出
ふと思い出した父と母のこと。つらつらととりとめない思い出話なので、サポートメンバー限定の公開です。
青山ゆみこ
2025.07.21
サポートメンバー限定
初めて「選挙」を意識するようになったのは、小学校の高学年の頃だっただろうか。
昭和50年代当時は「自民党」が一強。父はただの小商いの人で、だからありがちなことだったのか、自民党の熱心な支持者だった。
父は「強いもの」が好きだった。野球といえば巨人、長嶋みたいな感じで。
強いものに心酔することで、気持ち良さを感じているようにも見えた。それは悪いだけでもない。例えば、勝ち負けを競うスポーツなら、「強い」ことは良きことでもある。
でも、政治の世界はどうなんだろう。なんてことを、子どものわたしはまだ考えたこともなかったのだが。
父が疑いもなく「自民党を自分の強い味方」みたいに語るのは、教科書で読んだ「平家にあらずんば人にあらず」みたいな、なんだか嫌な感じだなとも思っていた。
それは、ニュースで見る自民党の政治家たちのように、父も我が家で偉そうに振る舞ったからかもしれない。
家族のルールは俺が決める、それが当然のように権力を行使する。
小さな頃は「父(家長)」とはそういうものだと、従属的に諦めていた記憶がある。そういうものだけじゃない世界(他の家庭)を知らなかったから。