「眼瞼下垂」って知ってますか?(3) この先生以上の執刀医はいないっ(わたしには)
前回の話↓
白い封筒に入った紹介状をカゴにいれて、自転車をきこきこ漕いで辿り着いたのは、駅から近いのに、程よく雑踏から離れたロケーションに建つこぢんまりしたメディカルビル。案内板を見ると、どうやらワンフロアに1クリニックという設定。目的階に着いたら、もうそこはクリニックというシチュエーションでした。
エレベーターのドアが開いた瞬間、まだ一歩もクリニックに入っていないのに、わたしはまず「あれ?」と意表を突かれたのが匂いだったのです。ヒーリングスポットなんかで漂う高級アロマの良い香り。「病院」の匂いじゃないぞって。
そんな香りにふんわり包まれながら、入ってすぐ横の受付カウンターに進み寄ると、シックな色の制服を着た女性が軽やかな笑顔を見せながら「ご予約いただいた青山さまですね」と出迎えてくれた。
女性に差し出された問診票を受け取りながら、またまたわたしは驚いていたのです。
な、な、なんかめっちゃ眩しい。きらきらきらきらしてる。
その時カウンターにいたスタッフは、看護師さんなのかはわからないが、20代中盤〜後半くらい(だと思う)の女性二人。二人とも医療機関らしくマスクをしているのに、マスクの横からつやつやきらきらした美オーラのようなものがあふれ出している。
声や所作はいたって落ち着いたもので、高級ホテルのコンシェルジュを思わせる、きちんとトレーニングを受けた「プロの接客業」のような気配感。まったく浮ついたところがなく、折り目のない新札みたいな凜とした雰囲気。なのに華やかさもにじんでいるんです。
北新地でもたまにこういうママさんがいた。顔の造りは派手じゃないのに目を引く人。できたての豆腐みたいに艶やかな美しい質感の人。