盛るにも土台があってこそ。加齢なる表情筋トークへようこそ

シミ、しわ、たるみ……お悩みが溢れ出る加齢なるお年頃。塗って足したり、隠したり。もうどうにもならないとどん詰まっていたわたしが最近辿り着いたのは、顔の表情は筋肉が動かしているというシンプルな事実だったのです。
青山ゆみこ 2025.04.14
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前回のレター以降、驚くほど仕事をしておらず、なんかいろんな段取りすることで「仕事した気分になっているウィーク」でした(ヤバい……)。
はたから見ると生産性マイナスだったであろうわたしですが、実は自分としては「激動」の時間でもあったのです(誰に気づかれなくても)。

少し遡って説明が必要かもしれません。

今回のレターはアラフィフ、更年期のカーブを曲がる「大人すぎるガール」たちと語り合う場。そんな気持ちで書いています。
なので、「わたしには関係ないかも」という方は、未読スルーで上等。ぴちぴちのお肌でどこかに遊びに行ってくださいっ。
「え、わたしのこと!?」とぎゅっと服の裾をひっぱれた気がしたあなた、そうです居残り組です。
わたしたち世代は長いこと立ち話したら腰が痛くなりますよね。まずは座りましょう。無理は禁物。

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わたしは時々ですがFacebookにも投稿していて、そういえば気づけば定期的にしている投稿があります。
その都度微妙に変わるんだけど、前置きというか見出しがあります。【アラフィフ女子の小部屋】とか【オーバー50限定の小部屋】なんて立て看板のように。
投稿は「公開」設定にしていますが、入場制限があるんです。「関係者だけで膝をつき合わせて話がしたい」という気持ちがものすごく強いから。

例えば今回はこんな注意書きも添えました。
「※お悩みやお勧めコメントなどは年齢制限よろピコ。50のリアルでよろピコ」

「ピコ」なんて、鳥肌級にサブい語尾でもつけて茶化さなければ、自分の言葉が厳しすぎる気がしておちゃらけているんです(この説明もサブい……)。それぐらい、心情としては「めちゃ真剣」というわけです。
もし、もしですよ、お肌ぴちぴち弾ける30代ガールなんかが、うっかり迷いこんできたもんなら……。だるんだるんの弛緩した肌とは真反対に、びんびんに尖った厳しすぎる戦闘態勢で、ぷるぷるつやつやの顔面すれすれで、ドアをばちこーんと!閉めてしまいそうな勢いのわたし。ドアが閉まる風圧にもびくともしないピンと張った肌の女子たちはこないで!!

だって、だって、30代って、率直に申し上げますと40代序盤でも、「あなたの肌ってまだまだきれいに守られているのよ……それが若さ……女性ホルモン……」と叫びたい(はぁはぁ……息切れしているわたし)。

さて、話を戻します。

====(3月末 ある日の投稿)===
昔々あるところにお肌の曲がり角についていけなくて逆ギレしたおばさんがいました。

ファンデとかコンシーラーとか塗るの「もうやめや!」なんて時期を経て、「なにも足さない」というサントリーの広告のようなことをしていたら、なんと、どんどんどんどん肌がくすんできたのです。
えええ?? やっぱりなにかせなあかんやん!!!!
という時期にまた来た気がする。

これから始まるトーンアッププロジェクト、どうなるのでしょうか。
ファンデーションもこれから探します。薄づきでシミやくすみをカバーしてくれて、極度の乾燥肌がしっとりする魔法のようなファンデ、探します(いずこ……)。
日焼け止めはアネッサに助けてもらってます。
がんば!

============

この投稿をした数日後。わたしは所用があって大阪に寄ったついでに、梅田の阪急百貨店に小走りして、3階までのエスカレーターを一直線で駆け上がり、30代後半〜40代前半にベースメイクのひととおりでお世話になっていたブランドのカウンターに滑り込んでいたのでした。

どうやら8年ぶりくらいだったようで、カルテ(記録)はもうなくて、でも名前登録はあったので、すぐに鏡の前のスツール椅子に案内されました。担当してくれたのは、チーフという肩書きのついた、きっと40代前半だけど、30代前半にしかみえない透き通るような肌の、真矢ミキ似のきれいなお姉さん。

しっとり安定した潤いに満ちた肌のミキ姉さんに早速泣きついたわたし。

この5年ほど、肌質が変化して、毛穴が広がってきたこと。「薄づき」と謳われる評判のファンデですら、毛穴にひっかかって入りこんでしまうこと。
例えばですよ。たこ焼き器に生地を流し込むときのように、ファンデーションを塗ろうとすると穴に吸い込まれるんです。というか、そのことで「そこに穴があったのだ!」とと気づかされるっていうか。
時間が経ってきたら、穴をふさいでいたファンデが今度は浮いてきて、たこ焼き器でいうと、横のみぞに流れてしまうようにスジができるんです。もうそんなの見るのもうんざりしてしちゃって、薄づきでもなんでもファンデーションをつけるのが怖い。「つけてるのがわからない」とかって豪語してる超さらさらのお粉さえ、重たい。そうなにもかも重たい!!

泣き言まで重たすぎるわっ。とミキ姉さんは心のなかで呟いていたかもしれないけれど、さすがプロフェッショナル、透明感のある涼しげな笑顔でひたすらさらさらドライに聞き流してくれました。
あるいはもう「そういう話、聞き飽きたわ」って心を無にしてスルーしてくれたのかもしれません。

「というわけで、なにも塗らなかったけど。なんかね、急に気分が変わって。やっぱり隠したい。シミ、しわ、たるみ……すべてをうまく隠したいんです。ベースからやり替えようと思うので、たった今のわたしに必要なものをひととおりお勧めしてもらえますか(もそもそ重たい声)」

「もちろん〜〜〜(ぴんとはったつやつやの声)」

久しぶりに(わたしにしては)大枚をはたいて、高めの美容液のサンプルとかたくさんいただけるほどお買い上げしてカードを切りながら、売場の鏡に写る自分の頬は紅潮していました。
テンション爆上がりの高揚感なのでしょうか。あるいは「血色がよく見える」というチークのせい? 両方だったと思う。いや、なにより、女優たちがメイクをする際に使う、鏡の左右や上部に複数の電球が付いたハリウッドミラーの効果だったのではないだろうか。

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