彼女がおばさんだったら言えた気がする
今日はなんだか少しお話を聞いてもらいたい気持ちになって、とりとめなくこのレターを書かせていただきます。
つい先日のこと。
夫が自宅にいて、でも仕事が立て込んでいて、うまく集中する時間がつくれないなと感じたので、久しぶりにコワーキングスペースに行くことにしました。
うちから自転車で10分ほどの場所にあり、ネットで空席確認ができるので、サイトのぞくと「空いてる!」。
MacBookAirと資料を鞄に詰めこんで、自転車こぎこぎ到着してみると、30代くらいの女性が10人ほど、瀬戸内海に点在する島のように離れて座って、みんながそれぞれ「自分に集中」している光景が広がっていました。
みんなすごいな。ふと感動してしまった。
家でひとりで仕事をしていると、「自分はここでなにをやっているのか……」という虚無感に襲われることがたまにあるけど、コワーキングスペースでは、そこが「働く女性支援」に力をいれてるからかもしれないのだけれど、女の人たちがそれぞれなにかに無心に取り組んでいて、そうか、みんなそれぞれで頑張ってるんだなって、普段あまり口にしない滋味深いスープでも飲んだように、気力の泉にしみてきたんです。
こぽっこぽっと小さく気力が回復するような感覚というか。誰かに頑張れと言われるより、誰かが頑張ってる姿を見ることで、なにかこう自分が回復する部分もあるのかもしれないなあ。
(あまりにしんどいときは、かえって「ダメだ」って責められてる気がすることもあるので、調子がどん底じゃないときの自分に限られるけれど)
そんな場の力のおかげなのか、2時間ほど原稿作業に没入できて(わたしには一番ありがたいのが「勝手に与えられる集中力」)、気づけばお尻が痛くなっていた。
加齢でお尻の肉に弾力がなくなると、クッション機能を果たさない。ということに気づいたのは50を過ぎてから。きっとスクワットとかして適度に筋肉をつけたら、脂肪も活かされてどんな固い椅子でも長時間座れるんじゃないかな、なんて思う。失われるとはじめて気づくもの、ほんと多いよ(しみじみ)。
さて、それから1時間ほどでさくっとまとめをして、MacBookAirをぱたり。気づけば5時をだいぶすぎていて、スペースにいた女の人たちもほとんど姿が消えていた。
子どものお迎えとか、家族のご飯のための買い物に行ったのかな。なんて考えながら、わたしもコワーキングスペースをあとにしたわたし。
たまにこういうところで仕事をするのもいいな。なんだか良い刺激になるな。新鮮だし。新しい居心地のいいカフェを見つけたみたいに嬉しい気持ちになって、帰路の自転車を漕ぎ始めたところ、そういえば近くにおいしいパン屋さんがあることを思い出した。
方向転換して、そのパン屋さんを目指すと、スモーキーなパステル調の外観が見えてきて、どうやらまだ空いているらしい(売り切れ次第終了なので)。
ラッキーだわ!
店先にいそいそ自転車を止めて、お洒落なパリのカフェみたいな軒先から店内に入る。
日が暮れかけた時間帯とあり、奥の棚はすかすかで、どうやら入り口に近い棚に「まだ売れ残っているパン」を集めて並べ直したらしい。