ミスや事故が起きたときの対応について思ったこと
ちょっと人生がたて込んでしまい、私生活でもバタバタしていた先週。目の前のことしか考えられなかったけど、ちょっと先のことも想像してみたくなったりして。
フリーランスあるあるだと思うけど、暦どおりでは全然ないので、先週末が(今日まで)三連休だとも気づいてなかったのですが、昨日は日本列島に近づいている台風の影響なのか、久しぶりに身体がどどどーんと重たくなり、軽く吐き気もしたりして、ふらふらめまいもきついような。
そんなわけで、お昼から一切を投げ出して、寝転がってひたすらだらだらだらだら過ごしていたわたしです。寝ていたら楽になるなんてことも、実はそんなにないけれど、明日以降ちょっと楽になったらいいなと期待して、早めにお布団に入ってスマホでSNSを眺めていたら、「え!?」とびっくりしたことがあったんです。
フォローしているとある本屋さんのInstagramで、わたしが帯文を寄稿した本の紹介がされていて(とてもよい本なのです。だから推薦文も書かせてもらった)、その最後に「出版社HPから引用」というカタチで「青山ゆみこさん」の言葉が添えられていました。でもその文章は、わたしには書いた覚えはなかったのです……。
版元の紹介文の一部が「青山ゆみこ」さんの言葉になっていた。そんなものすごく単純なミスです。よくあることといえばあることだけれど、こうして情報公開される段階では「誰かが気づいて、すでに修正されている」というのが「よくある」ことだ。わたしが知る前に、多くのミスは消えている。消えるべくして。
なのに、今回は間違えたまま、どんどん公開されてしまった。
◉
実はこの誤記載は、Amazonの予約が始まったときに、わたしが気づいて、版元の担当編集者さんにすぐに連絡をいれ、修正をかけていました。
Amazonだと反映されるのが遅いかと勝手に思いこんで、じりじりした気持ちになるかと思いきや、すぐにAmazonも動いてくれて、一日とかからず修正されていた。よかった〜。なんせまだ発売前の予約段階だし、見る人もそこまで多くないし。ほっ。
さらに実はですが、この本の担当編集さんはわたし自身の担当編集でもある。なのでわたしも言いやすいし、向こうもすぐに謝って動いてくれて、ふたりで「早く気づいてよかった」「すみません」「大丈夫ですよ」なんてやり取りをしていました。
つまり、一度目のミスの発見、修正作業が「ひっそりと」行われていました。あまり威張っていえないけど、やっぱり「ある」ことです。
それから無事に予定通りに発行されて、そろそろ2週間。とっても良い本なので、いろんな本屋さんや、読んだ人がWebで感想をあげているのを、わたしも親戚のおばちゃん(あるいは従姉妹とかはとこみたいな)みたいな気持ちで嬉しく眺めていました。
という最中で、昨夜、「あれ?」という事態になったわけでした。書いてない文章にわたしの名前が添えられているという。
「まだ間違えたままになっている?」「なぜ?」
もちろんすぐに担当編集さんにメールして報告したんだけど、「修正したはずなのに?」という疑問はぬぐえません……。
版元公式サイトでもすでに修正された文面なので、なぜ版元HPからの引用として、消したはずの間違った文面が? 謎は深まる。
ふと思い当たったのは、版元の運営するオンラインストア。もしや……とのぞいてみると、ビンゴ! 涙。そのオンラインストアでの紹介文が、修正前の誤記載だったというわけでした。
◉
本屋さんが、本の紹介をするとき、書店員さん個人の感想を添える場合もある。だけど、多くの場合は、版元が情報公開している、いわばプレスリリースみたいなものをもとに「こんな本ですよ〜」とSNSや書店のWebストアで紹介することが多い。
例えば、わたしが誰かの本をここで紹介するときも、Amazonとか楽天とかから書誌情報を取ることは少なくて、発行元である版元の公式サイトを引用します。加工された二次情報ではない、一番確かなソース元だから。
書店さんも、野菜の産地情報じゃないけど、産地である版元から配布されるプレスリリースや公式サイトを情報のソース元にする。「情報の正確さ」は当然ながら、情報の発信元というか、本家本元が一番確かだから。
◉
今回、ちょっと迷ったんですよね。わたしはこの一連のことをSNSにも投稿して、このレターでもわざわざ話をしているのですが、本当なら言わなくてもいいことかもしれない。
もちろんすぐに版元オンラインストアの修正もしてもらったし、問題はもうひとまず解決している。でも、どうなんだろう。それでいいのか。それだけでいいのか。
ひっかかったのは2つの理由です。
まずはやっぱり、言葉を書いた人の名前を間違えて記載するという、出版社では「ありえてはいけない」ミスが起きたという事実。